王子とこじき

永遠のライバルに出会えたのは、中学生の時。彼女は、転校生だった。自宅近くに引っ越した彼女は、王子。私は、乞食。私は、中2まで、ブラスバンド部、中3で、引退、それから、演劇部をやるなんて、思って見なかった。成績は、悪くなかったといえ、無謀な行動だったかもしれない。転勤で来られた家庭の先生。その先生が、演劇部作られた。私と彼女は、初の演劇部を作った先生のもとで、2人で、放課後、練習した。その内、数名の後輩も出来た。2人は、セリフ覚えは、もちろん完璧。乞食は、投げ倒される!ぼろぼろの格好だ。しかし、ある日、入れ代わるのだ。両方、経験できるのだ。あの村岡花子が、訳した児童文学だ。

お互いの世界をのぞいて見るときがつく。富や身なりでなく、本質を見る事の大切さ。

その後も、ライバル関係のまま、高校の演劇部へ突入した。

その頃の私は、ピアノ、声楽、電子オルガン、お茶、などのお稽古もあり、睡眠時間は、短くなり、スケジュールをこなしていた。

彼女は、国文を、私は、教育を、目指してしていた。高校では、彼女は、舞台に立ったが、私は、脚本を書いたり、裏方をした。彼女は、東京へ、私は、関西へ進学。

 

人生は、王子と乞食。置かれた場所には良いところもあれば、そうでもないこともある。だからこそ、実に面白い。

15才だった二人、それぞれの人生、いつも、ライバルであり、親友であった。

あの時、演じた王子と乞食の舞台は、

大人になってのコンサートの本番のように、上がることもなく、自信に満ちた私だった事を思い出した。信じようと思う。今の私に、そろそろ、勇気を出そうよね!と言いたい。無謀な事は、出来なくなっている。たまには、無謀な曲をやりたいと先生に言いたいと思うけれど、

自分の力は、??安全対策を取ろうとする。大人は、ずるいのかも知れない。子どもの成長の凄さも感じている。